トーマの心臓

萩尾望都さんの名作コミック「トーマの心臓」が、森博嗣さんにより、小説化された。
原作(まんが)を読んだことはなかったけど、よく目にする「名作!」に弱く常々気になっていた。。装丁も綺麗で、つい買ってしまった。
ストーリーは、閉鎖された空間・寄宿学校で、少年たちが大人になる前、むき出しの感受性を持て余したさまを繊細なタッチで描いてある。そこには本人達が意識したりしなかったり、少年同士のピュアな恋愛感情もいりくんでくる。決して、道路で雨ざらしのエロ本を囲んで、大騒ぎするようなリアル少年ではない。こんな美少年いないよーとツッコミつつ、なのに何故かぐっとくる。自分でも持て余す感情にかわいた笑いが浮かぶ感じ、肌がピリピリチクチクするような焦りや不安、まだ甘えていたいけど誰にも甘えたくない感じ。そんないつか経験した感覚。すごくリアルだった。
軽々しく書くのもなんだけど「純粋」が、この物語が表したいものだと思うのだけど、様々な「美しいもの」が登場する。その象徴がトーマなんだけど、閉じていく、もう二度とふれる事が出来ないゆえ汚されないモノもあれば、解放され広がっていく、逞しく「美しいもの」も登場する。このストーリーを説明するのに「ボーイズラブ」モノって目にしたことがあったけど、それは表現の仕方のひとつであってまったく違うなぁなんて、勝手な感想です。
とにかく、純粋には、雪がよく似合う。・・・私が好きなタイの国では、こうはいかないかもなぁ(笑)