愛すべき、ヌアボーラン

きのう銀座のお店に助っ人で入り、久しぶりに3時間コースを
施術しました。相手は英語を話す香港人。でも気づくと、
お互いに気心の知れたような、打ち解けた気分になっているんです。
のほほん、と。
最近思うのだけど、ヌアボーランというやつは
効率なんてけちくさいことをぜんぜん考えずに、
相手の不調や気持ちや、その時のささいな感じ・ニュアンスに
(…その施術中だけですが)トコトン付き合う、
究極の『寄り添うメソッド』なんじやないかなぁと。
世の中にはいろんなアプローチがあって、
「息を吸ってー、はいてーっ、ハイっ。」と、
それでもう楽になっているメソッドもある。すごいなぁと思う。
でも、タイ古式マッサージは、とことん時間がかかる。
60分がショートコースとされ、あとは3時間でも4時間でも、
とことん相手に時間を提供する。
大げさに言ってしまうと、それこそがこのメソッドの核心なんじゃないか
って、時々苦笑してしまう。そして相手に触れて・触れられるという
ひじょうに近い距離で寄り添って見守るメソッドでもある。
このこの“ムダ”なかんじ。 気づくと“まだ”横に居る感じ。
でも最近思うんですけど、誰にとっても一番大事な
“時間”を相手にささげるって最高の共感だと思うんです。
じゃあ、共感してもらったら治るのか?
は、分かりませんが、とにかく究極の寄り添うメソッドだなぁと。
それがこのヌアボーランの最大の特徴で魅力で
キュアの核心なんじゃないかなぁって、最近思うでもなく思うのです。
「馬を水辺に連れて行けても、水を飲ます事はできない」
ってことわざがあるけど(オッサンくさい)
本当にキュア&治るかはご自身次第。自分で何かを感じないとムリです。
ひとによっては、病気でいる事が必要な時期もあるかも知れないし。
なのでセラピストは、むきになってかかると真っ先に自分をこわします。
一番大事な時間を捧げているのですから、新人セラピストの皆さん、
自信をもって、堂々と「いい加減で」施術しきってください。
もちろん勉強は一生。ベストはつねにめざすのですが、
施術のさなかは、一緒に笑いながら、ぐちりながら、のほほんと
同じ時間を過ごすのがなによりなのかも知れません。