ジュリエット・ビノシュ「in-i」

渋谷シアターコクーンで公演中の舞台「in-i」観てきました。
イギリスのダンサー兼振付家アクラム・カーンと
フランスが誇る大女優・ジュリエット・ビノシュと
二人だけのコンテンポラリーダンスの舞台でした。
シンプルな舞台装飾なのに、フランス恋愛映画の濃~いやつを見せられたみたいで、
見終わったあとしばらくポケーっとして脱力。。
コンテンポラリーは誘っていただき初めて観たのですが
タップやアフリカンとはもちろん随分違い、ただどんな乱れたようにみえる動きも
体のしなやかさナシではありえないなぁと、そこだけはシッカリ感じました。
とにかく自由な動きでしたよ。。面白いですね。
ココロの動きを思うまま即興で(..ではないんですけど)
カラダを使って表現しているような感じ。
体ってちゃんと動かすと芸術になるんですね...感動でした。
中央に置かれる大きな壁に椅子2脚のみ。
場面により青や赤に照明が変わり、ビノシュの衣装も赤いのですが
ライトによって白く見えたり、黒いコートをかぶって隠したり、
壁も観客に迫ってきたり、また気づかないうちに奥の方まで戻っていったり。
二人の心理状態によってたえず変化していきます。
殴り合い?のような激しいケンカで動き回ったかと思えば、
二人だけの世界を楽しむような濃厚な重なり合う踊りになり、
そしてまた反発しながらも息の合った動きの連続。
一緒に生きていく男女のさまざまな愛の場面が伝わってきました。
フランス映画っぽく感じたのは、倦怠感や二人のどうしようもない溝、
....のようなモノまでねっとり表現するんですね。
観てる方もそれだけでぐったりですが、踊りきった二人には拍手です!
冒頭、「わたしは14歳。映画館でカッコイイ男を探していた。。。」
というセリフからもう映画を観ているようでぐっと引き込まれてしまいました。
面白かったです。
興味のある方15日までの公演です。ぜひ、どうぞ。